10 Friendship Songsは、2018年、アントワープ在住のビジュアルアーティスト ケン・バーホーベン(Ken Verhoeven)とEdições CNレーベルのオーナーでもあるリーヴォン・マーティンス・モアーナ(Lieven Martens Moana)とのコラボレーションで制作されたエレクトリックミュージックです。
ケン・バーホーベンは、アントワープのギャラリー「トランポリン」で、「フレンドシップ・ブレスレットの分解されたデザイン」として、友情の絵を発表しました。この絵画は、織り込まれる象徴としての友情の結晶(パターン)を記号化し、モチーフとして使用しています。個人が制作した「FRIENDSHIP-BRACELETS.NET」のパターン生成のオンラインサイトを利用し、パターンの展開図を絵画のフォーマットに作り替えています。各ブレスレットの作り方の概略図と記号化した友達との象徴の絵画をアートギャラリーに展示しました。
出典:Gallery Trampolineより
Web: www.trampolinegallery.com
時間軸にまとめられた「Friendship Paintings」の作家によるテキストが公開されています。> Exhibition text
10 Friendship Songsは、ケン・バーホーベンのFriendship Paintings(友情の絵)の絵画作品をリーヴォン・マーティンスがグラフィックスコアとして音楽に変換して制作したものです。ケン・バーホーベンは、絵画作品を音楽化するために、「友情の絵」を10の物語として再構成しています。
10 Friendship Songs(友情の歌)に収録されている10曲は、付属のブックスコアで見られるパターンや記号性から連想されるミニマルな音楽とは違い、音色や調性、リズムに幅を持った豊かな表現に仕上がっています。
リーヴォン・マーティンスは制作にあたり、「友情の絵画」のスコアの調性や楽器を決定するために、Christian Schubartの著作「音楽美学の理念 Ideen zu einer Ästhetik der Tonkunst」と、色彩と調性、楽器の関係をチャートにした「Spectrotone InstrumentalTone-Colour」を用いています。曲で使用されているストリングスや笛、琴、ティンパニー、トランペット、サックスは、Roland Sound Canvas(1990年代を代表するローランドの音源モジュール)を使用しており、音楽の仕上がりの中で、その辺りもシンプルで個性的な音源となっています。
この音楽は、織り込まれる象徴としての「友達の絵」(=ビジュアル)と、友情のブレスレットとして再生され、望む限り繰り返される「友達の歌」(=ミュージック)の関係性を見事に表現した作品です。