Harold Budd

 

最近、新型コロナウイルスでハロルド・バットが亡くなったことを知りました。2003年に発売されたアルバム「La Bella Vist」を聴き始めてからもう18年、このアルバムは毎日のように聴いていたかもしれません。

 

80年代頃にまだアンビエントミュージックが認知されていなかった時代、ブライアン・イーノのとのコラボレーションによる「Ambient 2」、「Perl」など数多くのアルバムがリリースされ、ピアノとシンセサイザーを使ったアンビエントな作品や緻密なオーケストラ曲まで、他にも多くの作品を残しました。アンビエントミュージックとしての名盤は、他でもよく紹介されているので、バットの中でもあまり知られていない作品、ピアノで演奏された独特の響きと静かに展開されるメロディーの作品「La Bella Vista」と「Perhaps」の2枚を紹介したいと思います。

 

 

「La Bella Vista」2003

このCDは、ダニエル・ラノワの自宅で2回に渡って秘密に録音された音源をもとにCDが構成されています。全体的なトーンとしては、少し暗い響きですが、音は最小限で限りなくシンプルで聴き入ってしまいます。CDの裏のテキストには、ラノワとバットの出会いから録音までの経緯について簡単にまとめられており、ラノワは、このアルバムをニーノ・ロータやエリック・サティーのようだと評しています。

 

 

 

「Perhaps」2007

カリフォルニア芸術大学で行われたジェームズ・テニーの追悼イベントでのライブ録音で、亡くなった友人のジェームズ・テニーのためにピアノ即興で75分の切れ間のない演奏を再編集してCD化したものです。もともとデジタルのみで販売される予定だったため、CDやレコードは限定プレスで、最近やっとCDを購入することができました。内容は即興とは思えない一音一音丁寧で繊細、アルバム全体に明るい響きがあり完成度はとても高いです。

サウンドクラウドでサンプルを聴くことができます。

 

 

全曲サンプルの試聴とデジタルの購入ができます。

・boomkat.com harold budd 「perhaps」

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  • 2021年7月16日